とりみだしてる

あれがキライこれがキライ言っている自分がキライ。だからキライと言うのをやめた。封じた。自分へのタブー其の四。くらい。そうきびしく取り決めたのは、17歳のあたしだった。悪口をいわないこ、決して批判せずに「うんうんいいね」「それもありなんじゃない」って言って頷くこ、ちょっとぼーっとした感じのおんなのこ。そうやってこの5年間うまくやってきたつもり。だけどもう、もう、もううんざり!笑顔で垂れ流す相槌に埋もれて勝手に死にそう、きもちわるいよ自分、あたしほんとは、ほんとうは、
甘いものなんかキライ、きらきらの飾りがキライ、蛍光灯がキライ、ばかみたいなJ-POPがキライ、あの子の厚化粧がキライ、たばこのポイ捨てキライ、メールを待ってる時間がキライ、ひとりきりの夜がキライ、なめ回すような視線がキライ、身体しか見てくれない男がキライ、やったあとすぐ寝る男がキライ、束縛男がキライ、お前って呼ばれるのキライ、愛してるって言葉がキライ、淫乱って言われるのキライ、暗いところでするセックスがキライ、バイト先がキライ、店長がキライ、あの客がキライ、友だちヅラしたあいつがキライ、元彼がキライ、鳩もフェレットもハムスターも幼虫も犬も、女も男も、みんなみんなキライ・きらい・嫌い・大キライ!

ああ、でも、やっぱり
こんな自分はいやだなあ。