こんぺいとう

わたしが食べてきたものはわたしを存分に生かしてくれている。わたしがえらんだ食物。ひとつひとつえらんできたのです。あらゆるときに目の前にさらされるふたつの器から。わたしは甘美なほうの器をいつも手に取った。それぞれの器のうしろにはそれぞれの道があって、甘美なくだものでお腹を満たしたわたしはその道を進んでいくことができた。給水地点だった。わたしは分岐のたびににくしみのほうにかぶりついた。あいするほうはえらばなかった。愛はけっして食べずにきた。

わたしはすくすくと育った。お腹に詰まったくだものがからだじゅうに蜜を運んでくれていたようで、あまいあまいからだになった。指を舐めるとお砂糖の味がします。