「苦しくて切ないね」

すのう氏がそう言うので、あたしはすのう氏のTシャツの胸のあたりをつよくにぎって泣いた。
「うん。そんな感じ。」
「でも、終わりがないね。」
「……うん。」

苦しくて切ない。他にもいろいろ。たくさん。そういうのぜんぶひっくるめて“好き”っていうのなら、やっぱり“好き”って言葉は足りなさすぎる。足りない部分のためにあたしたちは言葉をつくしたり。泣いたり。苦しそうな顔でお互いを見たり。あとがつくぐらい指をかじったり。首をしめたりする。ねえそれでも、さんぶんのいちもつたわらないね。