ヒャッハー?

つい最近までわたしの身体はわたしのものでなかった。
性的に誰かに所有されていたとかいう意味ではなく。
わたしはただただわたしの身体とわたしとを、結びつけて考えることができなかったのだ。
風邪をひく、調子をくずす。
ああ不摂生がたたったんだ。または、疲れがたまっていたんだなあ。
そう考えるのが普通だとおもうのだけれど、その発想がなかった。
身体を何か別個の意思をもった機関としてとらえているところがあり、
「身体がまた空気読めないタイミングで風邪ひいてる! かんべんしてよ!」
などと思っていた。



……ここまで書いたところで何言ってるんだこいつ馬鹿なのか……と自分で思えてきた。
でもここ最近ずっと考えてきたことなのでまとまるまで書いてみる……。



身体という機関はわたしの預かりしらぬところで勝手に動いているものだと思っていたのだ。
疲れやら重い食べ物飲み物を放り込んでも身体が勝手に何とかしてくれるでしょ。みたいな。
丸投げだ。
RPGのシステムみたいにでも考えていたのかもしれない。
ダメージが蓄積してへろへろになってきても宿屋に一泊すればヒットポイント満タンヒャッハー!
元通りだぜ!! という。
ゲーム脳。ろくでもない。
眠れば満タン元通り、そんな都合のいいこと現実の人間に起こるはずなかった。
寝て起きたらヒットポイントのマックス値自体が目減りしていたりするのが本当のところだ。
ちょう寝たのに身体痛い――
そりゃそうだ身体痛いまま寝ただけなんだから。
でもそこに至ってもわたしはまだ、おいおい頼むよ身体さん〜。て外注気分でいた。
馬鹿なのだ。



ダメージだけ放り放題ぶち込んであとはよろしく〜っつって何のケアもしないで自分は寝るだけで
ていのいい奴隷みたいにあつかってきたわたしの身体さん、が
円滑に機能しつづけてくれるわけもなく。
あちこちがグダグダに痛くてずっと疲れている状態のときが増えてきて近頃、ようやくわかった。
メンテナンスが必要です!



傷つくってもある程度勝手に治してくれるし、
寝てても息してくれるし血液は循環してるし、
身体はよくわからないすごい機能を備えすぎているから全くそんな気がしなかったけれど
どうやら身体はわたしのものなので、わたしが何とかしなくてはならないみたいだ。
28歳で気づきました。



20歳くらいのころ知った顔の大人に
「あなたはもとの健康さにかまけて何もしないで、30歳くらいでメンテナンスが追いつかなくなって急に衰えるタイプ」
と言われたことがあったけれど、そのときも
「メンテナンス??? は????」
という感じでピンときていなかったので、
身体は自分で働きかけて管理するべき自分のもの、という意識がなかったのだと思う。
謎の他人ごと感。



外注じゃだめなのだ。
ようすをうかがって手入れをして、自分のものにしていかないとだめ。
えっと具体的にはあったかい服買って着てお部屋は加湿器でしめらせて、
身体いたいときはストレッチやときどきマッサージもしてもらってごきげん取ってます。
えへへ。
自分の身体のごきげん取りは始めてみたら楽しい。
大切なことは大切にしたい。他ならぬ自分のことまで、他人ごとにしないで。